9月 202012
★★★★(4.5)
3時間ぐらいで一挙に読みました。
経営者だけではなく、社会人の方も一度読むことをお勧めします。今いる会社の見方が変わります。
あらすじは
6000社以上の企業を訪問調査した著者が、長期にわたって業績が上がっている会社、かつ社員・顧客満足度が高い経営を行っている会社を分析。
その中で感銘を受けた5社を紹介しています。6000社中のBest5(著者の独自主観)という事ですね。簡単ですが、その5社を紹介。
●日本理化学工業
- 障害者雇用に懸命に取り組んでいる
- 長年にわたり好業績
●伊都食品工業
- 斜陽産業といわれる寒天業界
- 『企業の目的は、社員の幸福を通じて社会に貢献すること』を経営理念にしている
- ゆっくり着実に成長を続けている
●中村ブレイス
- ロケーションが良くない所に立地している
- 弱者の役に立つ価値有る商品を作り上げている
- 長期にわたり業績が良い
●卯月
- 成熟産業といわれる菓子業界
- 地域住民・顧客の圧倒的支持が長期にわたりある
- 長年好業績
●杉山フルーツ
- ひなびた地域の商店街に有る
- 小売商店ながら顧客の絶大なる支持を受けている
- 長年好業績
※どの企業も、経営理念が素晴らしい、と本著で強調して言っていました。どの経営本も同じ事を言っていますね。
気になった・共感を持てた箇所を箇条書きで以下に抜き出します。
- 会社は経営者や株主のものではない。ステークホルダー(従業員やその家族、顧客や地域社会などその企業に関わる全ての人々)のものである。
- 私的なことに会社を利用しないこと。 例えば、経営者の家族がしょくじをしたレストランの領収書を会社名にしたり、身内の人事を行ったりする事など。その様に原理原則を破り、社会の公器としての責任や使命をないがしろにすると、従業員や市場がまずは見切りをつけ、まじめで優秀な社員から離職していく。
- 使命と責任を意識して行動することは、会社にとって研究開発や生産力、販売力などの経営管理力よりもはるかに重要である。
- 決断で悩んだときは、『儲かるか、儲からないか』、『他社に勝つか負けるか』といった視点で決めるのではなく、それが『正しいか、正しくないか』、『どんな判断をすることが、社員の為、お客様の為、地域社会の為になるのか』といった、会社がもっていなければならない正義感や倫理観にたって決断しなければならない。
ちなみに、業績の上がらない企業の経営者に共通する事項も指摘しています。
以下の何かしらの言い訳をする経営者。 あなたは似たような台詞何処かで聞いた事ありませんか? ww
- 景気が悪い、外部環境が悪い
- 業種、業態が悪い
- 規模が小さい
- ロケーション(立地)が悪い
- 大企業、大型店が悪い