起業家 ★4つ
サイバーエージェント代表取締役の藤田さんが書いた本。
藤田さんの著書は、『渋谷ではたらく社長の告白』や『憂鬱じゃなければ仕事じゃなに』など、以前より色々読んできましたが、その中でこの本が一番好きかな。だって、話がリアルすぎて生々しいんですもの。
僕の夢の1つに出版することがあるが、将来はこのような本、会社を経営していく上での経験・苦悩・足跡的な本を書きたいと思う。
この本では、会社を経営していくうえでの、彼の苦悩が書かれている。
会社を設立して、上場することになったら、もう一度この本を読み返したいと思う。
以下は本文より一部抜粋。
「これでダメだったら、おれも責任をとって会社辞めるからさ」
(中略) 突き抜けなければアメーバも、おれも終わりだ。
私はそう覚悟を決めていました。
しかしそれは、その道が正しいのかどうか、その先にゴールがあるのかどうかも分からないまま走り続ける、孤独なマラソンのようでした。
「ニュース見たか? ライブドアに家宅捜索だって」
(中略)堀江さんが犯罪容疑者としてパトカーで搬送されていく姿を見て、何か自分の将来がどす黒いもので覆われたような感覚がして、茫然とその場に座り込んでいました。
人とは違う生き方をする者への、世間からの冷たい仕打ちを目の当たりにしたような気がしたのです。
起業家として、ゼロからベンチャー企業を立ち上げていくと、世間の反感を買ったり、既得権益を得ている人から邪魔されたりします。
それでも前に進み続けるためには、強靭でタフな精神が必要です。
しかし、何か巨大で抗えないものに負けてしまった……そんな感覚だったのかも知れません。
うまく表現できているレビューも載せておきます。
★★★★★5つ
本著を読みました。
私にとって期待通りでした。
それは私自身が小企業の社長だからです。人を使う立場の方が感じる、苦悩。思った通り動いてくれないいらだち。
それを株主からのプレッシャーを感じながらどう対処したのか、赤裸々にかいていると思います。
ネットバブル崩壊のあと、どのように生き延びてきたのかも書かれています。
そして、社内のまとまらなさをどのように考え、どう対処したのかも書かれています。
苦悩ぶりも、本来ならば隠す社長が多いのですが、かなりの部分を外に公開してくれている
と思います。ホリエモンとのやりとりも、あのときの大騒ぎの彼の視点からの意見が
非常に示唆に富みました。
上場後の社長、上場を目指す社長、中小企業の社長、社長でなくても、
係長以上の人を使う立場となった人ならば、役に立つことが多いです。
そして、ネット関連の方ならば、ユーザー視線のサービス作りがいかに大事なのかも
この本が教えてくれると思います。
これらの方におすすめできます。
★1つ
前作が良かったので期待して読みました。
しかし、残念ながら「え、これだけ?」って感じです。
これ社内報でイントラに載せればいいんじゃないかぐらいの内容。もっと前作のような魂をえぐる何かを期待していましたが、
完全に裏切られました。社内の混乱や著者の葛藤をここまでは書けるんだろうなという範囲で書いてる感じ。
上場企業のトップとして無難にまとめています。無難な分、文章に凄味が無いんです。まさかサイバーエージェントの宣伝本を
意識してるんじゃないかとさえ感じました。それとホリエモンの話はどうでもいいというか必要ないです。